にくブログ

にく✧

透明なる記憶

桜の真昼からの光線

鉄屑は我儘を拾い集める

凍える窓の嘆き

知らなかったから笑える者

 

何を残したかも知らない追憶

確かな影が私を包み込む

映像の内側で静かに座る

今を通り越した ふりをした陽炎

 

笑えないことに打ちひしがれ

それでも光はやがて流れ

見つめる始まりの横に立つ美

手の内に輝かせるあの日の微笑み

 

できなかったから

まだそこにあるまなこはどこかしらで啄む

拾い集めたただの石ころ

まるでそれが本物の叫びの様

 

あるがままを花に写す

光の扉はあの電線の向こう

あの変わる平行線の向こう